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積みゲーマー親父の語り場(元・駄目ゲーマーとして終焉を迎えた一人の男が嘆くブログ)

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【彼女は辰人君を放さない】・3


悪夢としか言えないあの晩から早一週間。
我ながら驚くほど何も無い一週間だった。
まるであの出来事が夢だったかの如く・・・と、これではあの警官と変わらないな。
まったく、今思い出しても腹が立つ。


あの後一気に緊張が解れた為か、襲い掛かる疲れと眠気に勝てずそのまま窓際で倒れ込んで寝てしまっていた。
仕方なく翌朝親に事情を説明して一緒に被害届けを出しに行ったのだが、そこで対応したあの警官め、人の話が済んでない内から「夢でも見たんじゃないですか?」と言い出しやがった。

俺だってそうであって欲しかったさ。
でも、地面に脚立の跡とうっすらと小さい足跡が残っていればまさかと思うし、ましてや隣家から「脚立が何でここに!?」と聞こえてきたら、それはもう認めざるを得ないだろ?
そういった事も含めて説明してるというのにあの警官め。
お前も深夜アニメ見てる最中に鉈持った女に乱入されてみろ。リアルタイムで見るのが怖くなって録画オンリーになるぞ。
俺がそうだからな。

とにかくその場は怒りを抑え被害届を出して帰宅。
そして今に至るという訳だ。


しかしあれ以来本当に何も起こらない。起こらないからこそ油断も出来ない。
当然だろ?
あの時の会話からして、四六時中ではないものの俺を監視している事は明らかだ。
こうして通学している時も、そこらへんの物陰に隠れて見ていてもおかしくない。

・・・いないよな?

周りを見渡してみるが、いるのはうちの生徒とスーツ姿のサラリーマンぐらい。
あ、あの女子生徒顔逸らした。
まて俺は怪しくない。だからそんなあからさまに距離開けないでください。泣きたくなります。
これじゃあ俺の方が不審者みたいじゃないか。
あまり露骨に確認するのは控えよう。でないと学校に着く頃には通報されかねん。
まったく、何で俺がこんな思いをしなければならないんだ。

俺はやりきれない気分を抱えたまま、あと三十分程の道のりを足早に急いだ。


続く。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

  1. 2009/06/07(日) 14:56:47|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

No title

急に
押しかけ厨の2ちゃんスレッドを思い出しました・・・・。
それと同じような恐怖をちょっと……
  1. 2009/06/07(日) 23:05:11 |
  2. URL |
  3. ななくさ #-
  4. [ 編集 ]

コメント返信

>ななくささん
そのようなものがあるんですか。
リアルの話だと怖いですね。
でもこっちは怖くする気はないのでご安心を(笑)
  1. 2009/06/08(月) 21:11:53 |
  2. URL |
  3. 九龍乃宴 #-
  4. [ 編集 ]

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